かつて音声通話の手段といえば固定電話以外の選択肢はほとんどなく、ビジネスにおいても固定電話は欠かせない存在でした。しかし、近年ではウェブ上で音声通話、ビデオ通話などができるツールも増えています。

Microsoft Teams(以下Teams)もその一つで、一対一はもちろんのことグループでのウェブ会議などにも対応しています。さらに、固定電話番号との連携も可能なため、会社の代表電話などもTeamsで管理可能なのです。

ここではTeamsの電話機能について詳しくご紹介します。

    Teamsと固定電話の連携を検討してみましょう

会社の固定電話をTeamsに集約するメリット

近年リモートワークが進む中で、取り扱いが難しくなっているのが会社の固定電話です。リモートワークによって多くの業務を自宅で行えるようになったにも関わらず、固定電話の対応のために出社しなければならないといったケースもあるようです。

しかしMicrosoftのコミュニケーション・情報共有ツールであるTeamsには、固定電話との連携機能があります。固定電話をTeamsに集約することによって固定電話の管理といった問題から解放されます。

まずは固定電話をTeamsと連携することのメリットをご紹介します。

現在の固定電話番号をそのまま活用できる

これから新しく立ち上げる会社であれば、外部からの連絡手段として固定電話を導入しない、という方法も考えられます。しかし、長くビジネスを続けてきた企業の場合、固定電話の番号はすでに多くの顧客などに知られていることもあって、簡単に整理することができません。

もともと日本国内では通信キャリアとの連携や法令などの問題もあって、従来の「03」などから始まる固定電話番号(0AB-J番号)を、ウェブサービスでそのまま使うことはできませんでした。しかし状況が変わり、Teamsでは従来の固定電話番号を使った連携が2019年から可能となりました。

オフィスに縛られない自由な働き方が可能

これまで固定電話はオフィスに誰かがいなければ対応することができませんでした。しかし、Teamsはネット環境とPCやスマホなどの端末さえあれば、どこでも使用可能です。つまり、固定電話によってオフィスに縛られることなく、自由に働くことができるようになります。

リモートワークの推進にもつながる

業務の効率化という面ではもちろんのこと、近年では新型コロナウイルス感染症の蔓延(まんえん)などによって、よりリモートワークの推進が求められるようになりました。

固定電話をTeamsと連携し、集約することができれば、代表電話の対応のためだけに出勤するといった手間もなくなり、完全リモートワーク化も実現しやすくなります。固定電話やオフィスの縮小ができれば、コスト削減にもつながります。

一元化により業務効率化が図れる

Teamsで電話まですべて完結することができれば、チャットでの補足やファイル共有なども全てデジタル端末の中で行うことができるため、より業務効率を高めることができるでしょう。

Teamsの固定電話連携機能

    Teamsの固定電話連携機能について説明します

ここではTeamsの固定電話との連携機能についてより詳しくご紹介します。

Teamsで固定電話番号への電話を受けたり、固定電話番号から電話がかけられたりする

Teamsは現在、SoftBankやNTTコミュニケーションズ、NTT東日本・西日本、KDDIなど、国内の主要な通信キャリアと連携することによって、これまでの固定電話と同じように「03」などから始まる電話番号をそのまま使用できるようになっています。

PCやスマホでTeamsを使用することで、固定電話の番号に対し外部からかかってきた電話に出たり、逆に固定電話番号を使って外部に電話を発信したりすることが可能です。

新たなハードウエアの導入などは不要

Teamsを固定電話と連携する際に、新たなハードウエアの導入は必要ありません。基本的に必要なのはTeamsを利用するために必要なネット環境と、PCやスマホなどの端末のみです。

通信キャリアとの契約などは別途必要となりますが、比較的低コストで導入できるという点も魅力といえるでしょう。

Teamsで利用できる通信キャリアのプランは? 料金面をチェック

    多くの通信キャリアがTeams向けサービスを用意しています

日本国内で固定電話とTeamsを連携するためには、Microsoft 365 E5など、Microsoftの該当有料プランに加え、通信キャリアの専用サービスの契約が必要となります。現在では、多くの国内大手通信キャリアでサービスが展開されています。

ここからはTeamsで利用できる各キャリアのサービスプランについて一部ご紹介します。

UniTalk(SoftBank)

UniTalkはSoftBankが提供するサービスです。SoftBankの通信網とMicrosoftの通信網を閉域で接続することによって、高音質での通話が可能となっています。

料金は初期費用が1,100円(番号ポータビリティ工事費は2,200円)で、月額料金は880円からとなっています。

Direct Calling for Microsoft Teams(NTTコミュニケーションズ)

月額料金330円から、通話料金は使った分だけというわかりやすい料金体系で、気軽に始めることができるのがNTTコミュニケーションズが提供するDirect Calling for Microsoft Teamsです。

初期費用は3,300円(番号ポータビリティ工事費は2,200円)です。

固定電話番号からの発信時に、フリーダイヤル・ナビダイヤル番号を通知する付加サービスがあるなど、さまざまな活用方法ができます。

ひかりクラウド電話 for Microsoft Teams(NTT東日本・西日本)

NTT東日本、西日本が提供しているサービスがひかりクラウドfor Microsoft Teamsです。

初期費用は基本工事費が1,100円、サービスネットワークなどの工事費で2,200円、同番号移行工事費が2,200円です。月額料金は1,430円からとなっています。

個別のプランのみでなく、300番号以上向けの大規模プランも用意されていることから、多くの電話番号を利用している企業などにも対応できます。

Cloud Calling for Microsoft Teams(KDDI)

KDDIのCloud Calling for Microsoft Teamsは高音質な通話が魅力のサービスです。KDDIはSkypeなどのときからMicrosoftと提携してきた実績があるため、音質はもちろん、通信の安定性にも定評があります。

初期費用は基本登録料が5,500円、番号登録料が1,100円です。月額料金は基本料が2,200円、番号利用料が330円です。同サービス利用者やKDDI宛ての通話料金は無料となっています。

Teamsと固定電話番号を連携してビジネスを効率化

Teamsは固定電話番号と連携することができます。うまく活用することによって会社の代表電話番号宛ての電話をTeams内で完結させることが可能となり、リモートワークなどの推進などにも有利です。

現在国内大手キャリアの多くが専用サービスを提供しているので、ぜひ検討してみましょう。